専門演習
現代中国学部では、以下の専門演習を開講しています。
専門演習は、少人数、双方向性、専門性といった特色をもつ、もっとも大学らしい授業であり、学生はこれを通して卒業研究へつながる、自分独自の道を切り開いてゆきます。
この授業では、少人数というメリットを生かして、学ぶ側の理解を確認し、また互いの意見や見解を共有しながら、じっくりと学習や議論が進められます。そして、自分で考え、自分で発見し、自分で身につけてゆくことが、この授業では重要視されます。
これまで誰も見いだしていないことを発見したり、特殊な能力を習得したり、たとえどんなに小さくても、世界中で自分が一番といえるテーマをもつことをめざすのです。そのために本学部では、中国に関わるあらゆる分野の専門演習が準備されています。
負担は大きくても、それに見合うだけの成果を得ることのできる貴重な機会、それが専門演習だといってよいでしょう。
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安部 悟(あべ さとる) |
研究テーマ: | 「現代中国文学研究」 |
内 容: |
中国を研究する場合に、まず我々に求められているのは、中国がいかなる国であるのかということを、政治、経済、歴史、文化、国際関係といった様々な角度から多面的に捕らえようと努力することだが、その意味からすれば直接的に中国社会の実際に触れることのできる現地プログラムでの体験は、本格的中国研究へのプロローグであったといえる。短期間とはいえ中国に暮らし、そこで転換期の中国の今を生きる多くの人々と出会ったことは、皆さんに新鮮な感動を与えてくれたことは想像に難くない。
しかし一方で、言葉の問題などでコミュニケーションがうまくいかず、中国の人々が何を考え、どういう問題を抱え、どのような生活をしているのか、十分に理解することができなかったという人がいることも、また事実である。そういう人たちにぜひ勧めたいのは、小説や詩やエッセイを読むことである。現代文学の作品を読むことによって、我々は、現代中国とそこに暮らす人々のことを、実体験と同等か、時にはそれ以上に理解することができるわけだが、明確な問題意識をもってそれらを分析すれば、さらに深い理解が得られるはずで、このゼミが目指すものも正にそこにある。 |
梅田 康子(うめだ やすこ) |
研究テーマ: | 「日本語教育の方法論」 |
内 容: |
世界のどの国も、孤立しては成り立たない時代である。国際交流は様々なレベルで活性化している。一人の人間が使う言語数が増えるとともに、言語教育の重要性も今後ますます高まっていく。言語教育の方法論を身に付けることは、その専門家になるためだけではなく、一人の生活者として、民間交流を主とした社会貢献ができることも魅力の一つであろう。
ゼミの内容を一言で言えば、「誰が誰に何をどうやって教えるか」を考えることである。簡単なようだが、実は、この一つ一つの項目は様々な理論や価値観、環境に左右されている。ゼミでは理論と実践の両面から、この項目にそれぞれ考えていく。 なお、本演習は日本語教育を謳っているが、他の言語教育への応用も可能である。 |
加々美光行(かがみ みつゆき) |
研究テーマ: | 「近現代中国の政治経済、外交、民族、文化社会、思想の諸問題」 |
内 容: |
中国を単に中国一国の問題として考えるのではなく、欧米日本と結び付けつつ世界史的な枠組みの下で考察することを基本とする。つまり、中国の内部の問題を中国外部の日本を含む国際社会の動きと関連付けつつ研究する。言い換えれば、時間的には中国の歩んだ道を常に自分たちの同時代の問題としてとらえること、空間的には中国の問題を自分たちが生きている同じ地球の運命に関係する問題として地球規模の視点でとらえること。
ここではいつも中国や中国人と自分みずからが対話するといった姿勢で、問題をとらえることが重要になる。このようにすることで、中国の問題を自分自身の問題としてとらえ返すことが出来るようになる。 問題の選定は学生自身の自由な関心によって行ってよい。原則的には3年次までに卒論のテーマを決定し得るように、一つの課題に持続的な関心を持つようにしてもらいたい。 |
河辺 一郎(かわべ いちろう) |
研究テーマ: | 「東アジアの国際関係」 |
内 容: |
一年を通じて共通テーマを選択し、履修者はそれに沿って発表を行い、その成果を11月末から12月はじめに開催される予定の名古屋地区の大学による合同ゼミで発表する。具体的なテーマは演習を始めた時点で履修者の希望により決めるが、東アジアに関するものであることを求める。過去の事例には「核兵器の違法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見」、「両岸関係」、「両岸関係と朝鮮半島の南北関係」などがある。
なお、最初の数回程度は、論文の読み方と利用を身につけるために、教員が指定する論文の輪読を行う予定である。 |
木島 史雄(きしま ふみお) |
研究テーマ: | 「章太炎『國學概論』を読む」 |
内 容: |
章太炎は清末から民國初に活躍した思想家/革命活動家として著名であるが、いっぽうで彼は優れた中國學研究者であり、かつ教育者でもあった。『國學概論』は、章太炎が1922年に上海で行った公開講義の記録である。
「國學」とは、儒學を基本として、廣く文學や歴史をも含んで、書物とかかわる形でつくりあげられた中國の學術の總體であるが、章太炎にとっては、その廣がり以上に、國の存立にかかわって、中國という國を成り立たせているもっとも本質的な文化そのもののことであった。 本演習では、章太炎『國學概論』を讀むことをとおして、近代・現代中國を作り上げてきた人々の「中國像」「中國觀」にふれるとともに、參加者自身の中國理解を深めることを目指す。具體的には、章太炎『國學概論』にそって、中國古典の内容から扱い方、讀み方など、「古典學」の全體像を理解してゆく階梯となろう。 |
黄 英哲(こう えいてつ) |
研究テーマ: | 「台湾の歴史、政治、文化をめぐる諸問題」 |
内 容: |
1945年、日本の植民地支配から解放された台湾は、戦後60年の間に政治面、経済面で劇的な変動を経て、アジアの中でも成長率は著しいものであった。台湾は、あたかも旧植民地という歴史を克服したかにみえる。
しかし、台湾は本当に旧植民地という歴史を克服したのか?台湾の近代化、工業化、経済成長といった事象は、日本統治時代の「正の遺産」といえよう。では「負の遺産」は何か?ここで冷静に検討する必要があるだろう。また、台湾は一般に「親日的」とみなされているが、その対日感情も再検討すべき時期に入っているのではなかろうか。 戦後、日本の台湾・中国との外交関係は、きわめて複雑で微妙に揺れ動いてきた。現在、日本と台湾に国交はない。日本は正式な国交を中国と結んでいる。しかし、日本と中国の関係を「法律婚」とするならば、日本と台湾は「事実婚」にたとえられよう。日本と中国は法律で結ばれながら、はたして円満といえるだろうか。一方、台湾との関係はしがらみがあるとはいえ、両者の間は行き詰まっているといえるだろうか。 この演習では、上述の問題を一つ一つとりあげて議論する。 |
高 明潔(こう めいけつ) |
研究テーマ: | 「中国地域社会の総合的研究 -文化人類学の視点から」 |
内 容: |
本演習は文化人類学的の視点から、現代中国の地域社会・少数民族について考察する。文化人類学は、まず異なる文化・社会を研究対象として、形質・環境・社会・文化・心理・宗教・政治・経済などを統一体として総合的にとらえる。また、異なる文化を研究することで、自己の文化を相対比して見ることができる。文化人類学は、その手法として長期に渡る研究対象とする地域ないし集団に住み込み、研究対象を詳しく記述し、総合的にとらえるという方法をとる。それを通じて研究対象の見かけではなく、かくされた本質をつかむことが要求されるのが特徴である。
本演習は、現段階では長期に渡る研究対象地域に住み込む調査は不可能であるため、中国の地域社会や少数民族社会に関する既存の研究成果をテキストとして生かし、それに基づいて各自が関心を持っている各民族の社会・文化・宗教現象を中心に考察を行うこととしたい。 |
砂山 幸雄(すなやま ゆきお) |
研究テーマ: | 「変貌する中国の政治社会と国際関係」 |
内 容: |
急速な経済成長の進む中国では,政治社会の面でも少しずつ変化が表れている。共産党の一党支配は変わらないものの,経済改革の進行にあわせて行政機構に大きな改革が加えられ、農村や都市の末端レベルでは部分的な民主化の動きも生じている。しかし経済成長はまた,官僚の汚職腐敗を蔓延させ,貧富格差の拡大などをも引き起こし,民衆の間には根深い不満がうずまいている。中国共産党・政府はこれにどのように対処しようとしているのだろうか。
一方,国際社会では,急成長する中国について「中国脅威論」がしばしば語られている。これには経済的な脅威ばかりでなく,国際政治における中国の影響力の拡大や軍事力強化に対する懸念も含まれている。経済大国化した中国は国際社会になかで何をしようとしているのか。軍事力強化の目的は何か。「政冷経熱」といわれる日中関係の真の対立点はなにか,またそれはどうしたら改善されるのだろうか。 このゼミでは,こうした新しい動きをフォローしながら,内政・外交両面にわたって現代中国に対する理解を深めていく。ゼミ生には中国にとどまらない幅広い関心,積極的な情報収集,活発な発言を期待する。 |
高橋 五郎(たかはし ごろう) |
研究テーマ: | 「中国・アジアの経済と社会-フィールドワークの方法研究と実践-」 |
内 容: |
本ゼミは、中国を中心とするアジア諸国の経済や社会の実態を研究することを課題とする。そのために、フィールドワークの実践的方法も学ぶ。フィールドワークは現地の実態を科学的な手法にもとづいて知るための手段であり、本ゼミはその手法を中国・東南アジアを念頭に研究し、その実践を行うゼミである。
このため、ゼミ生は日本の学部生としては他大学にはない「中国現地研究実習」(3年次の夏に実施)に、可能なかぎり参加することが望ましい。(ただし、「中国現地研究実習」に参加することが本ゼミの必須条件ではない)。また、東南アジアでは短期間のフィールドワークを行ってきたし、今後もその予定である。過去訪問した国は、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムである。次は、インドネシアかインドなどを予定している。 ゼミの方法 ①国際社会調査について、まず講義する。 ②ゼミ生は個別の研究テーマ(調査テーマ)を、原則的に自分で決める。そのテーマの動機と内容をゼミで報告、議論する。 ③その研究テーマをフィールドワークを通じて深める方法を各自検討し、ゼミで報告・議論しあう(調査仮説の検討と類似調査の検討)。 ④その実践を「中国現地研究実習」を通じて行う。「中国現地研究実習」に参加できない場合は、本ゼミが別途実施する東南アジア海外フィールドワークを通じて行う。 ⑤以上を通じて実施したフィールドワークは卒業研究執筆に活用する。 |
土橋 喜(どばし このむ) |
研究テーマ: | 「インターネットと情報化社会」 |
内 容: |
インターネットの世界的な普及は、あらゆる国々の経済・社会・文化にさまざまな影響をもたらし、その役割はますます重要になっている。今後の情報化社会ではどのような情報技術が使われ、どのような影響をもたらすかを研究することに極めて重要な意義がある。なかでもインターネットにおけるマルチメディアの活用は年々盛んになり、社会の多くの側面から期待されている。
演習では今後の社会に必要とされるシステムの機能や役割およびそれらの活用方法や社会的影響などについて考えたい。またソフトウエアやネットワークについて学習し、コンピュータと教育、中国語と情報処理、中国語教育ソフトなどに関する分野を幅広く取り上げ、システム開発なども積極的に試みたい。 加えて今後の情報産業や企業の情報部門で活躍する人材の育成を目標にしたい。 |
馬場 毅(ばば たけし) |
研究テーマ: | 「中国近現代史の新分野への挑戦をめざして」 |
内 容: |
21世紀を迎えた今日、社会主義圏の崩壊とともに予定調和的に未来を社会主義社会の実現と語ることは不可能になっている。それにともない中国近現代史研究の分野でも、歴史分析の方法論としてのマルクス主義や毛沢東思想、研究対象としての革命史はかってほど歴史家の関心を集めなくなった。
かわって、中国女性史、都市史(特に天津史、上海史)、中国秘密結社史、現在の中国の教育問題、中国近代における資本主義経済の発展などの今まであまり歴史家の関心を集めなかった分野、さらには戦後賠償とも関連のある従軍慰安婦問題、南京事件、日本軍毒ガス遺棄問題等の現在日本のホットな問題についても歴史家の関心が集まり、研究が行われている。 本演習では上述のテーマに関心のある学生諸君の参加を望みたい。上述のテーマに直接関係がなくても、歴史的に物を考えたい諸君も歓迎する。歴史学とは決して暗記のための学問ではなく、学生諸君が自ら自分の頭で考え、史料にあたり、史実を再構築する中にその学問があることを強調したい。 |
藤森 猛(ふじもり たけし) |
研究テーマ: | 「現代中国の映像芸術と社会」 |
内 容: |
中国映画・テレビドラマ・話劇を手がかりとして、東アジアに共通する文化的特徴やライフスタイルの変化をとらえていく。
春学期においては、まず中国語の語学力を強化するために発音練習および同時通訳の訓練・実践活動を主とし、秋学期においては映画、放送作品に対する分析および翻訳活動を中心におこなっていく。また、参加者それぞれが研究対象とする映像作品等を見出し、それに関する報告をおこなっていく。 |
古澤 賢治(ふるさわ けんじ) |
研究テーマ: | 「中国企業の改革と展望」 |
内 容: |
中国の経済改革は、国有企業における自主権の拡大をいかに進めるかにあった。初期においては、財政資金でまかなわれてきた企業の必要資金を融資の形に代えることを課題とした。その後普及したのは、国家に上納する利潤をどのように請負制度として整備するかであった。
さらに現在最大の問題となっているのは、企業資産の株式制度化である。これには企業自身の責任部分と政府による国有資産管理委員会とが一緒になって、国家資産の運用と管理を問題とする形が作られてきている。 中国は「社会主義市場経済」の確立という課題を掲げることにより、市場経済の全面的な復活を果たしてきた。その中で、中国は新たな問題に遭遇すると共に古い矛盾と問題にもぶつかってきた。失業問題は、新規の労働力に就業先を提供すると共に、従来の余剰労働力の吸収という難題をもたらした。その雇用先は、主として第3次産業に求められてきており、今後は流通部門やサービス産業における雇用機会の増大に問題が絞られてくる。製造業の問題としては、主として海外からの技術移転を考えることとする。 |
松岡 弘記(まつおか ひろき) |
研究テーマ: | 「健康運動実践研究」 |
内 容: |
今後益々、日中は少子高齢社会となることは必然であり、健康づくりのための地域や企業における指導者養成は急務である。本ゼミでは、健康のための運動のプログラミング方法や実践方法を研究する。特に将来、地域社会または総合型スポーツクラブでのスポーツの指導者や企業等での社員に対する運動実践指導者をめざした健康生活論、運動生理学、バイオメカニクス、トレーニング論、コーチング論、スポーツ栄養学、スポーツ安全指導論等の最低限の知識を理解して身につけること。
さらに、それらの実践方法を測定や実技・実験を通して実際に実践し検証するとともに、研究報告することによって、より良い実践方法論を検討する。 |
松岡 正子(まつおか まさこ) |
研究テーマ: | 「中国の各民族集団の民俗文化」 |
内 容: |
本演習では、中国の各民族における生活文化の現状と変化を理解することを目的とする。毎年、中国で10日間程度の実地調査を行い、体験を通して民族の現状を知り、民俗文化の歴史と変化に関する理解を深める。研究の視点と方法は以下のようである。
視点:改革開放後、激変する中国社会の中で政治や経済の変化は人々の生活様式や価値観、人間関係などにも大きな影響を及ぼし、各民族集団においてもそれぞれ異なる変化の様相がみられる。演習では、多様な変化を家族や社会、生業や交易、衣食住や冠婚葬祭、年中行事、宗教、芸能などの「生活文化」の側面から考えていく。。 方法:対象とする民族集団を選択し、入手可能な資料を収集して基礎的知識を学んだうえで、中国で実際に民族居住地を訪れ、彼らの暮らしを見聞し、聞き取り調査を行う。帰国後、現地での体験や調査結果などをもとに先行資料と比較検討しながら、各自の報告をまとめる。 |
三好 章(みよし あきら) |
研究テーマ: | 「中国近現代史」 |
内 容: |
中国史を、マクロとミクロとの両側から考えて行きたい。ゼミの課題は「近現代史」であるが、伝統中国との関係を考えることも重要な課題であり、「郷紳」をその一例とすれば、「近世史」として明代以降を想定してよい。もっとも、現代中国の内部に存在する伝統中国を、外見だけにとらわれて「歴史は繰り返す」とか、「三国志で現代がわかる」という立場を支持するわけではない。ゼミでは主要に、19c.半以降から現代までを射程に収めたい。中華人民共和国に関しても、成立後すでに50年以上が経過しており、その評価はまさしく歴史学の課題であると言っても過言ではない。
また、中国とは中華人民共和国と同義ではなく、地域研究の視角としての中国を考えたい。 選択者は、自分の課題をこうした歴史過程の中から選び出すわけであるが、その中で自らの問題意識を研ぎ澄ましてほしい。言いかえれば、なぜ、ある問題をテーマとするのか、自分なりの理由付けを、説得力を持って述べられるようになって欲しい。 そのため、まず最初に新書本レヴェルの啓蒙書の内容をまとめることから始めて、専門論文の読み方、まとめ方に時間をかけたい。そして、2年間かかって卒論を仕上げることを最大の目標とする。その中で、入門ゼミで学んだであろうレポートの書き方やレジュメの作り方をふまえて、論文の作成方法も学んで行きたい。 なお、当初は資料講読を中心に、中文資料・英文資料・漢文資料を取り上げる予定である。 |
山本 一巳(やまもと かずみ) |
研究テーマ: | 「アジアの経済発展と社会変容をめぐる諸問題」 |
内 容: |
本ゼミは、アジアの経済発展の実態とそれに伴う社会変容についての正確な知識を学生に身につけさせ、アジア理解のための判断材料を学生に修得させることを目的とする。近年のアジアの経済発展と社会変容は著しいものがある。何が発展を規定しているのか、発展の過程でどのような問題が派生しているのか、持続的発展とは、なぜ経済危機に陥ったのか、停滞している国があるのはなぜか、グローバリゼーションへの対応は、日本との関わりは、など問われるべき課題は多い。
アプローチの仕方としては、個別の国を取り上げ特定のテーマに迫る方法、特定のテーマを取り上げ横断的にみるやりかた、日本との比較で分析する方法、などが考えられる。要は、自らの国の実績を踏まえた上でアジアの他の国・地域をみる比較の視点を確立しておくことである。そしてアジアへの好奇心を持ち続ける姿勢が重要である。そのような他の国・地域への関心の持続が学問上の地道なステップに繋がるからである。 |
吉川 剛(よしかわ つよし) |
研究テーマ: | 「現代中国の法文化に関する法社会学的研究」 |
内 容: |
現代中国社会における法対象に対して、法規範、法制度、法意識の諸要因のうち、法意識を中心に取りあげる。具体的には、1986年より実施されている法律宣伝・教育活動である「普法」(普及法律常識)に関し、その第1次五カ年計画から現在に至るまでを概観する。
また、近年、山東省で開始され全国的展開を見るに至った「148法律服務専線電話」について、その意義、効果などを考察する予定である。さらに、司法局の果たす役割についても、法制宣伝の面から注目する予定である。 |
劉 柏林(りゅう はくりん) |
研究テーマ: | 「日中言語・文化の比較および日中関係の研究」 |
内 容: |
人類が国際化の時代に入った今日、異なった言語と文化の特質を理解することは国際的文化交流、経済協力、貿易往来をスムーズに行うのに不可欠なものとなっている。人類の文化史上において、日本と中国のような密接な関係を持っている国はまれである。
中国と日本は「同文同種」と言われているが、これは本当なのか。中国と日本の言語・文化における異同はどこにあるか、どの程度であるかを考える必要がある。日中関係を考える。 本演習では ①日中の言語・文化の比較を行い、異同を分析する。 ②日中の言語・文化およびその背景にある社会、生活などをよく把握し、日中・中日翻訳・通訳の実践的訓練を多角的にきめ細かく行う。 ③近代の日本人の中国紀行・中国論を読みながら、中国観が形勢されていった過程と歴史的文化的背景について分析し、日中関係を考える。 |