2000年度秋学期 生物・生態VA,B 講義ホームページ |
5.再生医療と発生工学……臓器移植は不要となるか |
1. 臓器移植
究極の「リサイクル」医療
問題点; 拒絶反応の存在
需要と供給の問題
2. 再生医療(工学)の進展
2−1.新素材(合成高分子)と細胞培養による臓器の再生
例えば、膀胱、皮膚、耳など
2−2.幹細胞による再生医療の試み
幹細胞(stem cell); 増殖能を持つ分化細胞
臓器が若いほど、つまり年齢が若いほど幹細胞を多く持つ → 胎児は幹細胞の宝庫
例えば、骨髄移植とは「造血幹細胞」の移植
2−3.胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES cell)
1998年アメリカ、ウィスコンシン大学グループによりヒト受精卵から分離成功
受精卵から分離した胚性幹細胞とは?
初期胚(受精後3〜4日目の受精卵)の細胞を特殊な条件下で培養して得られる
細胞であり、血液、神経、心臓、肝臓等、様々な臓器の細胞を作り出すことが可能
全能性を持つ細胞 → 障害を持つ臓器にES細胞を植え付け、増殖させることに より、臓器を治療することが可能
→ 核移植を用いないクローン作成の可能性存在
ヒトES細胞研究については、公的研究費は差し止め(アメリカ、日本など)
そこで現在は、マウスES細胞に関して研究が進展中
**2000年12月24日
田辺製薬がカニクイザルのES細胞作製に成功し、学術用に無料で提供を始めた、 との新聞報道
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