トップへ「今までの活動」トップへ第5回活動1998年8月1日研究会資料

1997年3月21日
〒112−01
東京都文京区音羽2−12−21
講談社 科学図書出版部
部長 柳田和哉



拝復

 ブルーバックス『男は女より頭がいいか』をご精読くださいまして誠にありがとうございます。
 さて、お問い合わせの件につきましてお答え申し上げます。
 81ページのグラフは原著にあるがままを載せてあるものです。原著には、オリンピックの金メダリストの記録か、それ以外の大会を含む世界記録かは必ずしも明快ではありませんが、グラフのタイトルに Olympic running records と記されている点をそのまま解釈すれば、オリンピックにおける優勝記録ではないかと思われます。しかしながら本文の記述を見ると、オリンピック優勝タイム・時々の世界記録・そのオリンピックで優勝しなかった有力選手の記録との比較の話が並列して出てきますので、どうも断定しにくいような思いも残ります。本文に具体的に挙げられている記録、及び相互関係については、過去の記録を編集部でも調べて裏を取りましたが、このグラフは表現がおおざっぱで細かい議論の対象にならないので、傾向をチェックするだけでそのまま掲載してあります。
 「更新率」は原著では rates of progression です。時間経過に伴って記録が更新されていくその変化率を表しているグラフですから更新率としましたが、意味がわかりにくかったでしょうか?
 82ページの「記録の伸び率」の「伸び率」の元は、rates of improvement です。時間経過に伴って記録が伸びていく割合という意味で、ごく日常的な用語法として、伸び率としてあります。
 グラフの横軸は時間で20年ごとに目盛りが打ってあり、縦軸はランニングの記録を分速に換算した値ですから、20年ごとに分速がどう変化していくかというという変化の傾きが一定であるという大雑把な仮定に立って描かれているのが一番右のグラフだと考えますが、不都合がございましょうか。(( )でくくって入れてある数値は、推定の走行タイムと思われます。)

敬具


トップへ「今までの活動」トップへ第5回活動1998年8月1日研究会資料