プミ族

プミ族は、総人口わずか3万3600人の民族集団で、雲南省西北部の怒江リス族自治州蘭坪ペー族プミ族自治県や麗江市寧_イ族自治県、麗江ナシ族自治県の海抜高度2000〜3000メートルの峡谷地帯にナシ族やペー族等と共住する。言語はチベット・ビルマ語派チャン語群に属するプミ語で、南と北の2方言に大別される。固有の文字はない。
伝説によれば、祖先は西北の古代遊牧民「羌」の一支で、チベット高原東端の横断山脈に沿って南下し、7世紀頃までに四川の木里に定住した。さらに一部は13世紀頃に元軍に従って金沙江を渡り、雲南の西北部に移動した。元代以降、川西のチベット族とともに「西番」と総称されたが、人民共和国下の民族識別で、雲南側は自称のプミを民族名としてプミ族となり、四川側はチベット仏教を深く信仰する住民の意思に基づいてチベット族をなのった。後者は北部方言を用い、前者より多い人口を擁する。
 
 
 雲南のプミ族は、政治的経済的に優位な先住のペー族やナシ族と共住するためにペー語やナシ語を操り、住居や衣服にはナシ族の影響を強く受けている。しかしプミ族固有の文化も根強く伝えられており、それはチンクー麦の発酵酒「スリマ」やブタの乾燥肉を伝統食とする食習慣、農暦12月7日を民族の新年「ヲシ」とし、前夜には13歳の成人式を行うこと、占いや厄除けを行うシャーマン「シピ」、正式の葬儀でシピが必ず行う、死者にヤギを捧げる儀式「ロケ」、山の神信仰などにみいだされ、四川側のプミ語集団にも共通する文化的要素である。


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