● | 第1回 |
〈講師・テーマ〉
加々美光行 愛知大学現代中国学部長・教授「中国政治を展望する」 |
中国は内政、外政両面で現在、重要な戦略転換を図りつつある。江沢民国家主席が独自政治色を押し出しつつあるためだ。異なる社会諸制度間の平和共存体制の樹立を国 際社会だけでなく国内でも目指す点が第1。例外なしの全面市場化を追及する点が第2。そこには資本主義、社会主義のいずれでもない新しいシステム建設への意図がある。 外政面ではそれは対米姿勢の大転換となって現われた。だが対日関係では日本に体制改革を目指す意欲がないとの判断から中国政府の消極的対応が目立つ。本報告では以上の戦略転換の意味を探る。 |
〈講師・テーマ〉
今井理之 愛知大学現代中国学部教授「中国経済1998年の回顧と1999年の見通し」 |
中国経済は目下、大調整の過程にある。改革・開放以来90年代前半まで続いた経済環境・体質は様変わりした。98年の経済成長率目標8%は、デフレ傾向が続くなかで3次 元にわたる銀行金利引下げ、大幅赤字財政下での1000億元の国債発行という財政出動などでなんとかはぼ達成にこぎつけた。98年第2・4半期を底に経済は回復に転じたとされ る一方で、99年の成長率目標は7%を設定している。厳しさに続く中国経済が抱える課題・問題点を探る。 |