● | 第10回 |
〈講師・テーマ〉
山本一巳 愛知大学現代中国学部教授「アジアの経済発展についての考察」 |
アジア経済は1990年代半ばまでの順調な経済発展の後、1997年から一転経済危機に見舞われた。現在は回復への足がかりを掴み、経済は調整過程にあるといえる。しかし、アジア各国の経済発展の段階とその内実は様相を異にしている。順調な回復を見せている国、発展に乗り切れていない国、市場経済移行過程にある国、さらに長期不況に喘ぐ日本などさまざまである。何がこのような差異を規定しているかを、これまでの経済理論をふまえた上で新制度学派のアプローチから点検し、今後の経済発展への足がかりを展望する。 |
〈講師・テーマ〉
今井理之 愛知大学現代中国学部教授「中国貿易の推移と構造変化」 |
改革・開放後20年余りの中国貿易の変化は大きい。貿易依存度の上昇、垂直分業型から水平分業型への輸出商品構成の変化、貿易黒字の定着化など目覚しいものがある。中国貿易は、1997年のアジア通貨・金融危機で影響を受けたが、増値税の還付率引き上げなどで輸出の減少を防いだ。2000年には前年比3割増もの大幅な輸出増を達成している。20年余りの中国貿易の推移と変化を検討し、WTO加盟後の21世紀初頭の貿易について展望を試みる。 |