環境汚染化学物質の管理システム---PRTRを例として--- (1)管理システム構築の理念 |
持続可能な発展(sustainable development)、循環型社会形成に向けて 拡大生産者責任(EPR)の導入 1.不用物の発生回避・再使用・再資源化を考慮した設計・製造・販売の義務 2.有害物質の使用削減・放出防止と適正処理義務 3.使用済み製品の回収、再使用・再資源化をする義務 4. 再資源を優先使用する義務 5. 不用物の適正処理義務 6. 環境情報の開示・表示を行う義務 化学物質の適正管理に関する国際合意とは ハザード評価 (Hazard Assessment) ↓ ←←←← ハザードの確認 (Hazard Identification) ↓ ←←←← 容量反応性の評価(Dose-response Assessment) ↓ 暴露評価 (Exposure Assessment) ↓ ←←←← リスク判定(Risk Characterization) ↓ リスク評価 (Risk Assessment) リスク管理 (Risk Management) 産業界による自主的なレスポンシブル・ケア リスク削減 (Risk Reduction) リスク・コミュニケーションの促進…PRTRの導入 人材育成(教育・訓練)…リスク管理、違法国際取引防止、大規模産業事故防止の ための人材育成協力 化学物質のハザード評価 例えば表 1 有害性の評価; 従来は、発ガン性・変異原性……これに基づく有害性ランク; A、ヒトに対して発がん性あり B、ヒトに対して発がん性の疑いあり C、発がん性ほとんどなし D、発がん性なし 最近では、神経障害・神経毒性……有機溶剤の大量排出と職業被爆(表2) 生殖障害……環境ホルモンにより次世代にも影響(表3) 非意図的生成化学物質にも注目……ダイオキシン類、トレハロメタン等 MSDS の義務化 化学物質安全性データシート(MSDS:Material Safety Data Sheet) 化学物質の性状と取り扱いに関する情報提供、ならびに原材料や製品中に 含まれる有害化学物質の情報提供 (図1) 産業界におけるレスポンシブル・ケア活動の促進 ここでのレスポンシブル・ケアとは; 化学物質に関する環境・安全・健康面の対策を、企業が自主的に行うこと ↓ 企業による「環境情報の開示・環境コミュニケーション」の動き…環境報 告書等