遺伝子組換え体(GMO)と環境…安全性評価の考え方… |
*システムを運用する際の問題点
人材育成 → 現場での運用者の知識と意識
例として; 雪印牛乳食中毒事件の発生要因 → HACCPシステムとその運用
HACCPシステムとは…NASAで開発された、宇宙食製造工程の安全管理システム
1. 遺伝子組換え体(GMO:Genetically Modified Organisms)…品種改良体
1−1.病気や害虫に強い農作物
遺伝子組換え農作物
1996年以降アメリカからの輸入が許可されている。ただし厚生省が安全性を評価した農作物のみ;ナタネ、大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、綿花、トマトの6品目
遺伝子組換え食品
遺伝子組換え農作物を原材料とした食品…22品目が許可(豆腐、味噌、ビールなど)
1−2.環境耐性植物;悪環境でも成長する植物の開発
乾燥、冷害、塩害等の環境下で育つイネやコムギの開発→在来種を駆逐する可能性
1−3.観賞用植物
日本企業が開発、実用化した農作物第一号(サントリーの開発)
→ 「ムーンダスト」青いカーネーション、日持ちのよいカーネーションなど
2. 安全性評価
2−1.環境、生態系に対する影響の評価……農水省担当
組換え品種と在来種との交配の可能性を評価する
実験室 → 隔離された温室 → 一般温室 → 隔離圃場 (防風林の設置) →許可、市場
2−2.食品としての安全性評価……厚生省担当
「組み換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に従って審査を行う
食品添加物と農作物の中間的評価を実施
食品添加物の場合;
アレルギー試験、毒性試験、発ガン性試験、、繁殖試験、薬理試験、催奇形性試験
農作物の場合;
残留農薬試験
2−3.安全性評価の問題点
(1)輸入品については、現在のところ厚生省(2−2)の評価のみ
(2) 厚生省による安全性評価
→ 実のところ、安全性確認は製造業者、輸入業者の自己責任によって実施
→ 厚生省食品衛生調査会は提供資料を審議するのみ
3.安全性の概念
予防原則;あい危険性評価では科学的に確実な証拠がなくても、潜在的な危険の回避をめざす
実質的同等性;1993年OECDが採用、日本も現状はこの考え方を採用
科学的に確実な証拠がない場合は、安全と見なす、つまりGMOについては組替えていない農作物と等しいと見なす
4. 環境と貿易
環境か保護貿易か?……WTO(世界貿易機関)と生物多様性条約会議
カルタヘナ議定書(2000.1.29)
遺伝子組換え生物の国際取引に関する規制→ 輸出入国間での安全確保の手続きを制定
環境への影響を根拠とした輸入禁止が可能