注釈

     Der Gewitterabend
 

嵐の夕暮

おお、赤い色した夕暮の時よ!
開け放たれた窓辺にちらちらと揺れる
葡萄の葉はもつれ青の中へ絡みつき
その中に恐ろしい幻が巣食っている。
塵が溝の悪臭に舞う。
カタカタと風が窓ガラスにあたる。
荒々しい馬の群れとなって
無気味に光る雲を稲妻が追い立てる。
池の鐘がざわめき飛び散る。
鴎らが窓辺で鋭く鳴き騒ぐ。
炎の騎士は丘を疾駆し、
そして森の中で砕け散り炎と燃え上がる。
病者らが病院で泣き喚く。
青みを帯びて夜の羽がうなる。
突然きらきらと泡だち
屋根に雨が降る注ぐ。