ここ天津ではつい先日までは、朝の気温がマイナスであったのが、4月に入り、急激に最高気温が28度まで一気に上がり、一瞬にして桜が狂い咲きしました。その後、三寒四温となり、汗ばむ日と過ごしやすい日が交互に続いております。
早朝6時45分から7時30分までの太極拳と中国武術の授業で1日が始まります。学生達は元気よく寝床から外へ飛び出し、運動で体を目覚めさせて朝食を
会館食堂にて食べ、8時30分から中国語の授業が始まります。このように早寝早起きと運動により規則正しいリズムを作って1日をスタートさせています。
現地プログラムには、時間割に組み込まれて毎週行う授業とは別に、教学実践活動があります。この活動では、中国企業へ訪問して実際に工場を見学して、自分の目で見て知る工場見学(企業訪問)と中国の勇壮な文化を目の当たりにする長城見学を行いました。
天津市内の工場見学は各語学斑ごとに別れて王朝ワイン工場、天士力製薬工場、海河乳業、騰達製靴工場を見学しました。その中でも海河乳業を見学した学生
は、その工場で生産した美味しいヨーグルトを試食しながら「日本の牛乳は賞味期限が短いのに、何故中国の牛乳は期限が長いのか?」や「学校給食用の牛乳に
どうして亜鉛を添加しているのか?」など積極的に質問をし、日本との違いを発見していました。
長城は天津近郊の黄崖関長城へ全員で行き、残念ながら生憎の雨でしたが、学生達は6世紀の南北朝時代に造られた雄大に延々と続く長城をしっかりと登り続け、その遙か昔の時代に思いを抱き、古き中華民族の知恵と文化を自分の体で十分に知ることができたようです。
以上のような教学実践活動の他に、「現地講演会」も実施しています。現在、中国現地でご活躍されている日系企業の方などに講師として来館して頂き、これ
までの中国現地での貴重な体験をご講演してもらうものです。第1回目は南開大学外国語学部で日本語講師をされ、「日本語スピーチコンテスト」で優勝する中
国人学生を育てている先生、第2回目は北京の日系企業駐在員向けのマンションとホテル経営を15年間担当された北京龍頭公寓の支配人の方、第3回目は天津
日本人会の会長で天津松下電子部品有限公司の董事総経理の方に依頼しております。これまでに第1回目が終わりましたが、学生達は日本語を通じて中国人学生
に真剣に教育されている姿とその方の中国と中国語の体験に大きな感動を得、多くの質問が出され、その反響がレポートにも表れておりました。
現地プログラムも1ヶ月が過ぎ、学生達は生活面にも余裕が出てきており、週末には天津市内や北京の観光名所へグループで旅行する人が多数出てきました。
お出かけから帰ってきた学生は「先生、今日は天津の鼓楼から歩いて古文化街へ行く途中で道を尋ね、先日の中国語の授業で習ったフレーズを使えた!」と嬉し
そうに話します。このように学生達は、授業で覚えた中国語を即戦力として使って日々実践能力を高めており、これも現地プログラムの大きな長所だといえま
す。
(松岡弘記) |