西尾憲太郎 |
「ハニ族の宗教職能者―雲南省紅河哈尼族![]() |
ハニ族の日常生活には様々な宗教活動が密接に関わっており、それらは「モピ」「ミグ」とよばれる宗教職能者により主催されている。しかしながら従来の報告では地域差にあまり注意がはらわれておらず、宗教職能者の名称や活動にも混乱がみられる。本稿では地域を元陽県勝村郷全福庄に限定して、彼らの具体的な活動を通して村社会におけるその意義と役割を考察した。
“2000年度愛知大學現代中国学会努力賞”受賞 |
野々山雄一 |
「ハニ族の家族制度について」 |
婚戚関係にある二つの家庭の家族構成、職業、教育水準、婚姻状況、家系、経済状態などの聞き取り調査を通して典型的な家庭の現況を明らかにし、「父子連名」という独特の命名制が絶対的なものではなく、養子縁組の時や病気や災いをはらうために自在に変えられている実情を報告した。また西尾とともに郷人民政府での説明をもとに勝村郷の概況表を作成し、実地で全福庄の概況図を記して複数の「寨門」を確認したことは、村落の成立を考える上で重要である。 |
田中美加 |
「ナシ族の食生活―主食を中心に」 |
南の穀物粒食文化圏と北の穀物粉食文化圏の境に位置するナシ族の食生活は、自然条件や両文化の影響をうけて多様である。城内と近郊農村での家庭訪問で毎日の食生活を調べ、主食については基本的には自家栽培の小麦が主でマントウ等への嗜好が根強く、50年代以前は主にトウモロコシを栽培して主食とし、近年は米食を取り入れるようになったこと、お茶はあまり飲まないことなどを報告。 |
中根有実子 |
「ナシ族の食生活―副食,調味料・保存食・飲料を中心に」 |
県城と近郊農村における4戸の家庭訪問での聞き取りと東巴伝習院での実習により日々の食生活を体験したうえで、副食、保存食、調味料、飲料、調理用具について「食べる」と「作る」の観点から報告。「![]() ![]() |
早川智子 |
「ナシ族の衣生活―民族衣装の現状と人々の意識」 |
服飾は生活環境や民族の特色をよく表すものである。麗江ナシ族の民族衣装について県城においてその着られた方、製作、意識の現状を聞き取り調査によって老若男女別にまとめ、民族衣装の役割や存在意義、今後のあり方などを考察。縫製工場や街道の縫製店なども調査対象とした。近代化によって大きく変わるつつある社会の中でなお民族衣装への愛着が年を重ねるにつれて強くなることを報告。 |
平野文子 |
「ナシ族の住まいと暮らし方」 |
麗江地区の住居について、板ぶき屋根、校倉風の「木楞房」から、明清代以降の漢族やペ-族の影響をうけた四合院式や三房一照壁式建物、80年代以降に改築された新家屋へと変化したことを実地での参観調査を通して明らかにした。また調査家庭の家族構成や職業などをもとに、住居の間取りとそこでの家族の暮らしかた、分家などについて考察した。 |
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