模擬裁判とは

 愛知大学法学部では2005年度より法学部主催の公開模擬裁判を行っています。15回目を迎える今年度は12月14日(土)愛知大学名古屋キャンパスグローバルコンベンションホールにて開催する予定となっています。昨年よりも皆さんに満足していただけるものにする予定です。どうぞお楽しみに!

 そして、今年度のテーマは「正当防衛」です。「正当防衛」という言葉は知っているけど、どこからどこまでが正当防衛なのか知ってる人は少ないのではないでしょうか。実際に起きた事件でも、正当防衛だと思ってした行為について正当防衛が認められないというケースは少なくありません。もしかしたら明日そのような場面に出くわすかもしれません。その時に「正当防衛」についてしっかりと理解しているのとしていないのじゃ、どちらがいいかは明白ですよね?
 本学の模擬裁判を機に「正当防衛」について学んでみませんか?

 2009年5月21日より「裁判員制度」が開始されましたが、「裁判員制度」という言葉自体は知っていても、実際にはどの様な形で行われているのか知られていないのではないでしょうか?
 また、裁判は難しい法律用語が使われたり、手続きが複雑なイメージをお持ちだと思います。そこで、本学の模擬裁判では、裁判員制度について理解しやすく、また身近に感じられるものにしたいと考えています。
 法律用語や裁判手続きについて解説を行うので、裁判についてあまり馴染みのない方でも気軽にお越しください。

 本学の模擬裁判の特色は、愛知大学法学部生主体で行われることにあります。組織構成から裁判のシナリオ作成、後援依頼やポスター作成などの広報活動に至るまで、すべての作業を学生の手によって運営しています。

 実は模擬裁判自体は珍しくありません。以前から裁判所や弁護士会等の法曹関係機関が主催するものや、大学のサークルが主催するものなどが行われています。しかし、大学の法学部の公式行事でありながら、学生主体で行われている例は少ないです。また、本学の模擬裁判は広く一般に公開されておりますので、市民の方々にも当日お越しいただきたいと考えています。

裁判員制度について

 平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し,平成21年5月21日から裁判員制度が始まりました。
裁判員制度とは,国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい,被告人が有罪かどうか,有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。
 国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより,裁判が身近で分かりやすいものとなり,司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア等でも行われています。

裁判員制度の対象となる事件は,代表的なものをあげると,次のようなものがあります。

  • 人を殺した場合(殺人)
  • 強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
  • 人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
  • 泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
  • 人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
  • 身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
  • 子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
  • 財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反)

裁判員制度HP「裁判員制度の紹介」より引用
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/index.html

正当防衛について

 正当防衛とは
刑法36条第1項:「急迫不正の侵害に対して、自己または他人の権利を防衛するため、やむを得ずした行為は、罰しない。」
と規定されているように、構成要件に該当するが違法性が阻却されるため、罰しないとするものです。簡単に言うと、自分や他人が犯罪に巻き込まれた際に、防衛のためにやむを得ずにした行為なら、例外的に認められるというものです。
 ここでいう「急迫不正の侵害」とは、急迫性と不正の侵害の2つで成り立っています。

「急迫性」:今まさに侵害にある状態や、すぐ間近に侵害が迫っていることをいう。つまり現在進行形で侵害がある又は発生する可能性がある場合のことをいいます。(過去や未来の侵害は対象ではありません)

「不正の侵害」:本来ならば守られなければならない自分や他人の生命、身体、財産などの権利に対する違法な加害行為のことをいいます。

 「やむを得ずした行為」とは、防衛するために仕方なく行った必要最小限の行為のことをいいます。
 つまり、正当防衛とは、現在進行形で自分や他人の生命や身体、財産が侵害されていたり、侵害されそうな場合に、これらの権利を守るためにする必要最小限の行為であれば、犯罪行為に該当する場合でも行為者に対する犯罪は成立しないというものです。

愛知大学模擬裁判2019