愛知大学模擬裁判 2023

2017年度のテーマ

ナイフを構えた被害者に、バットで反撃した被告人の行為につき、正当防衛が成立するか

2017年度の様子 2017年度の様子

被告人・杉田悠一(事件当時20歳)は、ファミリーレストランでアルバイトをしており、 アルバイト先の後輩である武内由貴(事件当時20歳)に、被害者・梶田慎(事件当時23歳)からのストーカー行為を相談されていた。 被告人は被害者と直接的な面識はなかったが、武内から話を聞いていたため被告人は被害者のことを知っていた。
また、被害者も武内へのつきまとい等を通じて、被告人のことを知っていた。 平成29年5月4日、武内と被告人が話しているところを目撃した被害者は、 嫉妬のため武内に対してLINEを使って脅迫文を送りつけた。しかし、2人は依然と変わらぬ関係を続けた。平成29年5月11日時午後10時頃、 被害者はアルバイト帰りの武内を脅迫し、それに抵抗した武内は横に投げられ、膝に擦り傷を負った。
事件当日、平成29年5月18日午後3時14分頃、被害者は武内の自宅アパートの前で、大声で叫びながらドアを激しく叩く等をした。 その激しさに武内は怖くなり、被告人にLINEで「助けて」とメッセージを送信する。それを見た被告人は袋に入った金属バットを持って、 自転車で武内の自宅アパートに向かった。同日午後3時19分頃被告人が武内の自宅アパート前に着くと、被害者に向かって声をかけた。 被害者は叫ぶのをやめ、所持していたナイフを取り出すと、武内の居室のドアに向かって大声で叫び、被告人に対しナイフを構え突進した。 それに対し、被告人はバットを振りおろし被害者の後頭部を殴打した。その結果、被害者に脳挫傷等の傷害を負わせ死亡させた。

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