6月に入っても天津では梅雨がありません。しかし、突然の夏到来です。天津では58年振りに気温37度の猛暑を経験したかと思うと、昼から真っ暗とな
り、30年振りの5千発電撃雷雨を体験。普段ほとんど雨の降らない天津は降雨のために道に水が溢れ出し、車の大渋滞、いつもなら10分で行けるところが、
何と1時間半もかかり驚きの嵐でした。翌日は、嵐が去って澄み切った青空が一面に広がり、眼前に大きく聳え立つ天津タワーが実に美しく見え、木立の中から
蝉の声が聞こえ出しました。
現プロも3ヶ月が過ぎて学生達の勉学もラストスパートに入りました。中国語の授業で学んだことは、3週間に1度実施される単元テストで確認します。単元
テストは第5回目の最後の単元テストも終了しました。また、中国教育部が認定しているHSK(漢語水平考試:中国語能力認定試験)を全員が受験して、中国
語学習の成果を判定しました。
最後の1週間は、「現地実習入門」の授業がありました。この授業は各自でテーマを決めて、これまで学んできた中国語でレポートを作成し、クラス全員の前で中国語を使い発表をし、発表後の質疑応答も中国語で行われる集大成の授業です。
学生達の中には自主的に、南開大学外国語学部日本語学科の実施している「日本語コーナー」に毎週金曜日の午後に積極的に参加して、日本語を
勉強している中国人学生と交流を深めて互いに学び合った学生がいました。その学生達は、日本語学科が主催するアフレコ大会やスピーチコンテストに出場して
中国語で発表をしたり、漢語言学院の中国語スピーチコンテストに積極的に参加しました。学生達は中国語でスピーチ内容を作成するのに大変な苦労をし、ま
た、本番でも上手くスピーチができなかったものの、掛け替えの無い経験をし、大きな自信を得ると共に「失敗を生かして、次は必ずや成功させる!」という強
い向上心と旺盛な勉学意欲の向上をその姿から垣間見ることができました。
26日の午前中には、これまで学習してきた中国文化講座(京劇、二胡、笛、絵画、書法、舞踏、武術、指圧)の発表会でした。また、その際に5人の学生が中国語スピーチも発表会で披露し、現プロの成果をみることができました。
午後からは「閉校式」が行われ、夕方には「送別パーティー」が実施されました。パーティーでは、この4ヶ月間に大変お世話になった南開大学の教員の方々に学生達は思い思いの感謝の言葉を述べて、大変別れを惜しんでおりました。
28日には最終帰国ガイダンスを実施し、翌日は荷造りをしてスーツケースに入り切らないおみやげや荷物を最終郵送しました。
帰国当日、学生達は南開愛大会館をバスが出発する直前まで、この4ヶ月間に友人となった中国人と名残惜しく涙を流して別れの言葉を交わしておりました。
バスは一路天津空港に向けて出発、楽しく買い物や遊びに行った懐かしの天津の街中を駆け抜けました。現プロで得た貴重な経験と沢山の良き思い出を抱きなが
ら天津空港をテイクオフし、中部国際空港へ無事に到着し、重いスーツケースといっぱいの手荷物をぶら下げ、迎えにきた家族や友人と4ヶ月振りに笑顔で再会
することができました。
(松岡弘記) |