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  現地プログラム期間中、3回の講演会が催された。学生たちが現在の目標だけでなく、帰国後の目標、卒業後の目標を考えるのに役立つような講演会を目指し、 中国現地で働くとはどういうことなのか、現在中国で仕事をなさっている様々な方をお招きしてお話を伺っている。以下は、今年度の講師陣と講演テーマであ る。

・4月9日 「いま中国にいてふり返る日本と私の40年」

講師: 

井上 亘氏(南開大学日本研究院研究員・外国語学院日語系外籍専家)

・5月28日 「ワコールの中国事業」
講師:  石谷 隆文氏(ワコール(中国)時装有限公司 総経理)
・6月21日 「現中卒業生に学ぶ~中国で働くために~」
講師: 

原田 近洋氏(大連富士工具有限公司)

   

 松田 順子氏(天津日本人学校教師)

 いずれもそれぞれ個性的で、それぞれ心を打つ講演であった。詳しく報告したいところであるが、紙幅の都合上、井上氏と石谷氏の講演について、学生に報告してもらうこととする。(梅田康子)

 

 
  第1回目の講師は、南開大学の井上亘先生でした。
 「いま中国にいてふり返る日本と私の40年」という題で、先生の生まれた頃からの日本がどう移り変わったかを分かりやすく教えていただきました。ところ どころに先生の体験談も入っていてとても興味深かったです。お話の後半では、日本人の「役(やく)の思想」について教えていただきました。「役の思想」と は、皆が自分の仕事をきっちりこなせば、社会は歯車のようにまわる、という日本人らしい思想で、初めて聞いたことばなので、興味を持って聞きました。講演 の後、何人かの質問にお答えいただきました。仕事上での日本と中国の考え方の違いや、就職するまでに自分たちが何をすればいいのかといったことです。この 講演会を通して全員が将来のために今から何をしていくべきか考えることができ、とても有意義でした。
 
 5月28日、ワコール(中国)時装有限公司の石谷総経理からお話を聞きました。  
 ワコールの事業目標は「男の人の闘争心をなくして、争いごとのない世界にするために、世の中の女性に美しくなってもらうことによって、広く社会に寄与す る」ことだそうです。ワコールといえば、もちろん「女性下着」というイメージですが、最初はアクセサリーなどの装飾品を作っていたそうです。ワコール創業 者も今日の講師である中国社社長も男性で、女性が身に付けるものなのに男性が引っ張っているのが意外でした。しかし、全従業員の80%は女性であり、縫製 は全て手作業でやっているそうなので、そこは女性の優れた技なのかなと思いました。
  石谷社長は中国に来る前、上司から『犬でも飼い主に好かれているかどうかわかる。人間だって言葉が伝わらなくても気持ちはわかる』と言われたそうです。確 かに私たちも言葉が伝わらないとき、ジェスチャーや顔の様子で伝わることがよくあります。言葉は気持ちを伝える一つの手段であるだけで、言葉よりもまず気 持ちが重要なんだと改めて思いました。今回の講演会で、少し深く知るだけでその会社に興味が湧いてくるのがわかりました。いつか自分たちが一つの会社の一 員となったときにもこの好奇心を持ち続けたいと思いました。
 ところで、ワコールさんの調査によれば、中国人女性は日本人女性よりなんと2cmもおしりが上がっているそうです。確かに中国人はよく歩く!たくさん歩 くことでおしりが上がっているのだとすれば、中国に来てよく歩くようになった私たちの体型も変化しているんでしょうか!?(笑)


南開大学の井上氏


ワコール(中国)時装有限公司の石谷氏


大連富士工具有限公司の原田氏


天津日本人学校教師の松田氏