-現代中国学部-

 

 


 現地プログラムもいよいよ一ヶ月間をきりました。今回はみんなの授業風景と家庭教師について話します。
 普段午前中の授業は中国語を、午後は文化・事情・社会について学んでいます。毎日各教科必ず宿題があります。日本にいたときに比べて忙しくなりました。 授業は中国人の先生によって進められるので、すべて中国語です。初めは聞き取れなかった先生の話も、徐々に聞き取れるようになりました。これは、中国に来 たからこそ経験できることだと思います。

 それに加えて、私たちの中国語の上達には、語学パートナーの存在も大きいと思います。
人によって違いますが、週に一度もしくは二度、一回につき一・二時間、語学パートナーと勉強をしています。

 日中の文化や社会について話しあったり、授業でわからないところを教えてもらったり、中国語の発音を見てもらったりしています。最初は少しぎこちなかっ たりしたけれど、会うたびに仲良くなりました。中には一緒に遊びにいったり、ご飯を食べにいったりする人もいます。

 こちらでの生活はすべて中国語ということもあり、日々勉強、そして日々上達しています。

 

 


 第
回               2006/06/13 三好章


 天津からの報告も、あと2回となった。
 今回は、これまであまり触れてこなかった、学生たちの日常生活について、報告したい。

 学生たちは、午前8時に始まる漢語の授業(一コマ45分)を4時限受ける。全員が8つのクラスに分かれ、受け入れてくださっている南開大学漢語言学院の先生方のお世話になっている。
 授業は、精読(読解)、口語(会話)、聴力(ヒアリング)、翻訳(和訳)に分けられ、それぞれ専門の先生が担当している。
 さらに、月曜午後には現代中国社会論、火曜と木曜には中国文化講座がおかれ、語学だけではなく中国を全般的に理解するようなカリキュラムがとられている。
 また、課外では、「語学パートナー」、学生は「家庭教師」と呼んでいるが、との中国語実習は、授業が終わった教室などで行われている。これは、彼らが学んだばかりの中国語を生かす最初の機会でもあり、同世代の中国人学生と知り合う機会でもあり、貴重な時間ある。

 しかし、彼らの楽しみは、何といっても「放課後」。

 多くの学生にとって初めての中国経験だけに、見るもの聞くもの珍しく、時にお腹をこわしながらの外食も繰り返している。

 南開大学の近くには、以前から「農貿市場(農民が自分で農産物などを持ち込んで行っていた自由市場)」があったが、もともと八里台の立体交差下にあった 「韓国菜(焼き肉)」や「清真(ムスリム料理=豚肉や豚の脂を一切使わない)」の店が移転している。よく調理してあるものは、危険も少なくおいしい。た だ、これから暑くなると、材料の傷みも早くなるため、注意が必要。
 とはいえ、そんなことを体験するのも、中国ならではだし、天津でムスリムの料理が食べられるのは何故なのか、考えてみるのも一興かも知れない。

 休みの日には、旧市街にある「鼓楼」とその周辺の土産物屋、あるいはその近くの「古文化街」と称する骨董品や中国雑貨、お菓子の店が建ち並ぶところへ 「探険」に行ったり、天津一の繁華街「濱江道」や「和平路」をぶらついたりする学生もいる。さらに、天津自体は、中国の他の都市に比べると歴史は浅い(明 代以降)のだが、それでも歴史遺跡、とりわけ中国近代史に関わっては、日本も作った租界、ラスト〓エンペラー溥儀が住んでいた館の「静園」、袁世凱がいた イタリア租界の中の洋館、望海楼と呼ばれるフランスが建てたカトリック教会などなど、多くの歴史遺跡が存在し、それをたずね歩くという学生もいる。

 1か月弱後の帰国を前に、いま、学生たちの多くは25日に行われるHSK(漢語水平考試≒中国語能力検定試験)受験のため、最後の追い込みに入ってい る。その結果は、彼らの4か月の成果であるが、何よりも、初めての中国体験を自分の中に蓄積して、無事に元気で帰国できることを、最大の目標としたい。