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● 加々美先生著書紹介 Vol.7
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● 「無根のナショナリズムを超えて
〜竹内好を再考する〜」
2007年 日本評論社 鶴見俊輔・加々美光行編
【ゼミ生の感想】
竹内好の言葉で一番好きなのは、「小説なんて書かなくてもいいから」です。どういう意味か解説すると、彼は中国文学者だったんです。で、翻訳や雑誌の編集をしながら、中国文学研究の第一線にいたのですが、北京にいた数ヶ月、ある女性と恋に落ちます。そうした「一人の人」として過ごす喜びや葛藤の中で、彼は「特別なことなどしなくていいから、人として守るべきものを大切にしたい」と思うようになります。 自分もそう思います。「世界を変える」のもいいけど、世界の問題はすべて、家庭や職場など、身近なところから起こるのです。マザー・テレサも「まず家族を大事にしましょう」とくどいくらい言っていました。 ちなみに、石川啄木も竹内と同じことを言っています。彼は「詩人は詩人であるよりもまず、人でなくてはならない」という趣旨の言葉を残しています(「食らうべき詩」)。これは竹内の主張と完全に同じです。竹内と啄木だけではありません。古今東西、多くの人が説いてきたことです。自分もそうした、「人として大切なもの」を忘れないようにします。(藤井) |
● 先生著書一覧
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